運動機能を高めよう

後縦靱帯骨化症とは、人間の背骨に付着する靱帯が硬化していく病気です。 人間の背骨は椎骨と呼ばれる平たい骨がいくつも連なって構成されます。この時に椎骨同士を結合させ、安定性を高める構成組織の一つが後縦靱帯です。人間が体を動かした時にはこの後縦靱帯が椎骨を支えることによって、その安定性が保たれる事になります。もし靱帯が無ければすぐに骨と骨が外れる状態、つまり脱臼状態となってしまいます。 後縦靱帯骨化症はこの靱帯が次第に厚みを増し、硬化していく事により症状が進行していきます。最初は手足の痺れ程度ですが、症状が悪化すると手指や四肢の運動麻痺や体幹の運動制限など生活に大きな支障を及ぼす重篤な症状が出現するようになります。

後縦靱帯骨化症は進行性の病変であるため、基本的な治療方法は薬物療法による経過観察、リハビリテーション療法による機能改善訓練が主体となります。薬物療法では痛みを緩和させるために筋弛緩剤や消炎鎮痛剤、さらに運動機能を改善するためにビタミン剤などが処方されます。これと並行してリハビリテーション療法が行われ、可動性が低下した体幹や四肢に対する関節可動域訓練、筋力向上訓練、手指の巧緻動作訓練などが行われます。また、残存機能を活かした日常生活動作訓練も行われ、日常生活における自立度の向上を目指します。 症状が増悪し生活に支障が出現するようになった場合は手術療法が選択されます。後縦靱帯骨化症では手術療法を行っても病前のような機能を取り戻す事は難しく、早期からの受診と適切な治療が重要となります。